コンタクトレンズを比較検討!
私は二十二年間、眼鏡店を営んでいます。
ふつう、眼鏡店には視力に問題を抱えている人しか来ないものですが、私のところには、視力に問題を抱えている人はもちろんのこと、視力のよい人も来られます。
プロ野球選手やオリンピック選手などのトップアスリートから、文字をすらすら読むことができなかったり、スポーツが苦手だったりする子どもたちまでさまざまです。
長い間この仕事に携わってきて痛切に感じることは、眼についての誤解の多さ、そして「よく見える」という一部分だけへの過剰なこだわりです。
それによって、視力の低下や眼の健康だけでなく、精神や身体の健康を損なったり、仕事や勉強に才能を発揮できずにいる人が多数いるということです。
もう少し眼のことを理解していたら、時間や労力を無駄に費やすこともなく、自分の持つ能力をより開花させることができたのに、という思いがあります。
眼の大切さはだれもがわかっているように思いますが、では具体的に眼がどれほど、どのように人の行動や健康に関わっているか、また、よい眼の状態を保つにはどうしたらよいのかというと、なかなか考えが発展していきません。
それは「眼目視力」、つまり遠方や手もとの、どれだけ小さなものや文字が見えるかという視力第一主義にとらわれすぎているからにほかなりません。
とはいえ、こだわるなといわれでもなかなかそうはいきませんし、自分の視力が低下すると、より一層こだわるようになってしまいがちです。
もちろん視力は眼の重要な能力ですから、よいにこしたことはありませんが、こだわりすぎると本質を見失うことになります。
視力低下という表面にあらわれた現象の裏には数多くの原因が存在しています。
この視力の背景にあるものは、視力だけにこだわっていると見えてはきませんが、「見る」ということに軸足を乗せると、健康や能力の向上に眼が深く関わっていることが実感できるようになります。
その手がかりとして、「眼の使い方」や「ものの見方」を考えてみてくだい。
いったいどのような「眼の使い方」や「ものの見方」をしていますか?いきなりこのように尋ねられても、とまどうだけかもしれません。
「眼の使い方」や「ものの見方」というのは、多分だれにも教わったことはないと思いますし、主観ですから、ほかの人とも比べにくいものです。
だれでもみな、同じような使い方、見方をしていると思っている人も多いのではないでしょうか。
実はそうではないのです。
人によって「眼の使い方」、「ものの見方」はさまざまです。
みなさんが何かを見るとき、眼は勝手に動くわけではありません。
心に思いが起き、「見たい」という気持ちがともなってはじめてそのものに眼が向きます。
向くときには、眼の筋肉が働きます。
筋肉ですから、人によって強い弱いがあります。
動きの速い遅いもあります。
生まれてから今まで、みなさんはこの筋肉を使って、自分なりに景色やものを見続けてきたわけです。
こうして、眼の筋肉には見方のクセが刻まれていきます。
このクセから、どのようにものを見ているかという個性も見えてきます。
見方のクセは眼の使い方の個性にもなります。
この個性はストレスを増幅させ、眼球の形や構造を変え、近視や遠視、乱視などの視力の変化となり、見にくいと実感できる現象として表面化します。
一方では、表面化せず、身体の内面に蓄積し、身体の不調をきたすもととなります。
また、スポーツや仕事、学習などに対し、使い方の個性が適応しているかどうかで、それができるかできないか、上手か下手かなどの行動としても表面化します。
眼の価値は、視力という枝葉のことだけで測れるものではありません。
幹に近い「見る」という観点に立ってみると、視力低下の原因や改善のヒントも見えてきて、それは身体の健康や行動の健全化に必ず役立つことと思います。
これから先も、人間は眼を頼りにしながら行動していかなければなりません。
そして、私たちを取り巻く視覚の環境は、今後、一層劣悪なものになっていくでしょう。
そのようなときだからこそ、みなさんが少しでも快適な視覚機能を持つために、実践から得た現場の知恵を活用していただきたいと願うものです。
現代のように、手もとで読み書きをしたり、テレビやパソコンなど小さな枠内の映像を長い間見続けたりする生活が当たり前になったのは、何万年という人類の歴史からみるとつい最近のことです。
電気や印刷技術が発明され普及しはじめたわずか100年ほど前から、今のようなIT化された社会に至るまでの問、視覚を取り巻く環境は急激に変化してきました。
それと同時に、眼にかかるストレスはけた違いに増加しています。
本来、人間の眼は近くのものや一点を、長時間、楽に見るようにはできていませんから、当然の結果です。
おまけに、眼のストレスから解放されやすい遊びの時聞が、パソコンやテレビ、携帯電話にとって代わられてしまい、眼は休まるときがないといっていいでしょう。
ストレスの増加にともなって、異常を感じれば病院でチェックを受け、病気であれば治療を受けます。
病気でなくとも、次のような眼の症状を訴える人は増える一方です。
・近くはハッキリ見えるけれども、遠くのものがよく見えない。
・近くも遠くもピントがあまい。
・像が上下や左右などにブレたり、二重に見えたりする。
・何かを読むとき、知らないうちに少し離して読んでいる。
・日常行動するときに使っているメガネをかけたままでは本や新聞の文字が見にくい。
・デスクワークをしていると頭痛や肩こりが起こりやすい。
・文字を読むとき行を間違える。
・まばたきをするたびにボヤける。
・よく見えるが頭に入ってこない
・集中が続かない。
・すぐに眼が疲れる。
・左右の眼に視力差が出てきた。
だれでも一つや二つ、思い当たるものがあるのではないでしょうか。
もっとも自覚しやすい症状は近視や遠視、乱視など、直接的な「視力の低下」というかたちで表れるものです。
前記の例でいうと、はじめの三つがそれにあたります。
ただし、像がブレたり二重に見えることについては、片眼で見て起こるのか、両眼になると起こるのかによって、原因が違ってきます。
少し前までよく見えていたものが見にくくて無意識のうちに距離をとったり、小さな文字を読むときに日常行動するときにかけているメガネをはずしたりというのは「老眼」の傾向です。
眼の筋肉が受ける過剰な緊張は、デスクワークでの疲れ、一頭痛や肩こり、まばたきによるボヤケの間違い、集中力の低下などを引き起こします。
こうした現象は年齢を問わず起こることですが、老眼は経年による筋肉の衰えですから、いっそう起こりやすくなります。
以上のような症状は、IT化が進む現在、ますます増加しています。
眼についてのわかりやすい症状をいくつかあげましたが、私は日々の眼の検査の中から、網膜などに起こる病気をはじめ、その他の思いもよらない症状と「見ることのストレス」が関わりあっていることを実感しています。
たとえば、自律神経系、不定愁訴、甲状腺、脳梗塞、アトピー、痛風、リュウマチなどです。
こういった症状を訴える人の眼の使い方には、とても共通性があります。
平たく言うと「強い緊張を強いられた見方。
頭が勝った見方」などといえます。
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